2008年 8月夏合宿・北アルプス/双六谷


報告:中村、峯尾、大西、荻野
場所・ルート 北アルプス/双六谷
目的・方法 夏合宿 沢
期日 2008年8月10日(日)〜8月14日(木) 3泊4日
参加者 峯尾、大西、中村、高地、荻野 (5名)
行程 ●8/10:18:00 平塚集合=23:15新穂高温泉無料駐車場(深山山荘横)泊
●8/11:5:30起床=6:45駐車場発=車=7:50ゲート手前=8:00発=9:00北俣川分岐一本=9:08発=10:25広河原取水ダム一本=10:25発=10:40小倉谷出合一本=11:30発=12:15一本(林道)=12:30発=12:57入渓点(壊れた吊橋)=13:15入渓=15:30幕 営地(打込谷手前)=21:00就寝
●8/12:5:00起床=7:15発=8:37一本=8:50発=10:07一本=10:30発=11:05センズ谷 出合=11:38下抜戸広河原=12:05広河原先一本=12:33発=14:30キンチヂミ=15:00一本=15:15発=15:55蓮華谷出合(幕営地)=19:30就寝
●8/13:5:30起床=8:15発=9:59一本=10:20発=10:55抜戸沢出合=11:20一本=11:40発=12:40一本(2150m付近)=13:00発=14:10一本=14:30発=14:50二股=15:55双六小屋
●8/14:5:30起床=8:10発=9:00弓折乗越一本=9:15発=9:40鏡平一本=9:55発=10:45 一本=11:00発=12:55新穂高温泉駐車場
天候 ○1日目:晴れ
○2日目:晴れ後曇、夜:雨
○3日目:晴れ後曇り
報告 ●8/10(日)   丸石駐車場を日曜夕方出発でさらに下りとあって渋滞は大丈夫だろうと予想していたが、案の定渋滞無しで快調に車を飛ばし5時間ちょっとで新穂高に到着した。無料駐車場に着いてみるとお盆の時期だけあって物凄い車の量である(誘導員有り)。何とか空きを見つけて駐車すると今度は本日の天場探しだ。駐車場は車でびっしり埋まっておりテントを張れるスペースが見当たらない。何とか死角を見つけて無事本日の寝床を確保。 入山祝いということで酒を飲んでいると24時頃大西さんが合流し再度乾杯をしたが、明日に備え少なめで切り上げ床に就いた。   (松本方面から途中コンビニは新島々駅手前のセブンイレブンが最後(酒有り))  (高山方面から、コンビニは高山郊外に1件のみ)

報告:峯尾

●8/11(月)  新穂高温泉から高地車に5名全員乗り込み、金木戸川に向かう。 ゲート手前に駐車(駐車スペースは分散して3〜5台。道幅は1台通れる程度)し出発。 手掘りのトンネルを抜け、眼下に金木戸川を望みながら進む。 北俣川と金木戸川の分岐にある発電所まで車の入った跡がある。 その奥の取水ダムまで車が通れる道である。 その先は登山道である。 取水ダムから30分程で小倉谷出合に着く。 壊れた吊橋が2つある。 私は今までここが打込谷出合だと思い込んでいました。 以前(2003年/中村、峯尾 2名)に双六谷に来た時はここ(小倉谷出合)から入渓し、水量の多さに命辛々撤退した。  ここ(小倉谷出合)で入渓準備をしていると後続パーティーが打込谷への道を探し始めた。 我々もここは打込谷ではない事に気付き、小倉谷出合から入渓するか、打込谷出合から入渓するか検討の結果、打込谷出合まで踏跡を辿る事にした。大西さんの話では小倉谷−打込谷間が最も厳しいとの事。踏跡は水面から100m程上方にあり、昔のトロッコ線路の跡だった。取水ダムから歩いてきたが、この道に気付かなかった。  入渓点は打込谷出合の500m程手前。 壊れた橋(アルミ板の橋桁。結構立派)のある地点。 左岸に幕営可能地有り。 暫く右岸を進むが渡渉しなけらばならなくなった。 水量は腰くらい。流れは強い。 ザイルを張って純平が突破。 渡渉は何度となくやった。 スクラム渡渉で行く事が多かった。 巨岩帯では岩の隙間を潜ったりした。 打込谷出合50m手前、左岸に幕営地発見。  今日は少し早いがここに泊まる事にする。

報告:中村

※「小倉谷−打込谷間が最も厳しい」というよりは、大きな谷に来た、という実感が得られたのはこの間だけだった、という事です。
報告:大西

●8/12(火)   下流から来た1パーティーに抜かれ、8時過ぎに出発。昨夜近くに幕営した1パーティーが焚き火をしている前を通り越して沢に入る。本谷を渡渉し、打ち込み谷を渡渉して本谷に戻る。先行パーティーのすぐ後を進む。数回渡渉したところで先行パーティーを追い抜き巨岩帯に入る。最初の方でザイル1回(トップ:大西さん、巻き用の残地ロープあり)、ショルダー1回、泳ぎ1回でその後は渡渉や巻きで越えていく、渡渉は主に膝上〜腿程度で峯尾さん、高地で先に渡り、適宜シュリンゲで後続を補助しながら進む。巻きは左岸が低く微かな踏み跡があり楽に行える。センズ谷までは強くはないがそれなりの水流があり、流されると止まらないかなといった感じで少し緊張する。幕営可能なところは幾つかある。それと褐色藻がよく滑った。 センズ谷を越え下抜戸の広河原に入ると谷が開け、緊張感が薄らぐ。瀬が多く、深さも一定で特に苦労もなく渡渉できるため、歩きやすい方の河原を歩く、広河原は意外と長くあらゆるところに幕営可能なところがあった。広河原を適当に歩いて行くと川が右に屈曲し再びゴルジュとなる。水流が強くなり、主に左岸のヘつりで越えていく、難しくはないが下の流れは強いのでザイルを出した方が良かったかもしれない。その内、深い釜があり、引き込まれると嫌なので空身でザイルを付けて泳ぐ、後続をザイルで確保して越える。ここで全身ずぶぬれになる。その先に1回目の雪渓がある。左岸側の草付きを上がって雪渓の上を渡る。途中、谷が入っているため雪渓の厚さが分からず緊張する。再び草付きにあがり、中村さんトップでザイルを出す。谷に下りると雪渓を横断した峯尾さんが待っていた。その先にキンチヂミと思われるところがあり、左岸の水面下のバンドを胸まで入り、チムニー状のところを3-4mあがり越える。さらに進んでいくと右岸から蓮華谷の一つ前の沢が入っていて、この辺では台地があり幕営可能。その後、何回か渡渉を繰り返し、16時位に蓮華谷出合に着く。蓮華谷左岸に安全な台地があり、そこで幕営する。全身が濡れているため急いで薪を集め焚き火を起こした。 17:30位に最初先行していたパーティーが疲れきった様子で上がってきた。蓮華谷出合には他に幕営点が無く、蓮華谷の上流の方で幕営していた。一日目の幕営地でいっしょだったパーティーは上がってこなかった。峯尾さんが岩魚一匹釣って戻ってきて食事となる。荻野さんとこの自家製茄子を使っての麻婆茄子で2日目に野菜が食べられた。美味しかった。食事を終え、暗くなってきたところで強い雨があり、テントに入り就寝となった。 * 後続パーティーのものらしき焚き火の煙が100m程下流から上がっていた。

報告:高地

●8/13(水)    昨日のコースタイムからすると、今日もタップリ8時間かかる事が予想される。とにかく、足元がヌメヌメなので、これでグレードは少なくとも2割り増しになっているような気がするのだ。 蓮華谷からは水量もぐっと減り、平凡な渓相が続く。昨晩の豪雨の影響は無し。水量は変わらない。天気は晴れ。昨日までとは違い、雲が多い。私は日ごろの不摂生がたたり、足がよたついている。この足にミズゴケのヌメリはこたえる。案の定、歩いて15分程で渡渉時に引っくり返り、顔で着地。唇を切ってしまった。ちょっと痛かった、という程度の気分だったけど、出血が止まらない。先に行っていた純平、サボちゃん、中村氏が戻って来て、小休止。さらに、私の共同装備を分担して持ってくれ、一気にお姫様山行となってしまった。 ヌメリは不快だが、雪融け水の冷たさをそれ程感じないのは助かる。ファイントラックとネオプレーンの靴下の効果だろう。今や平凡な沢歩きとは言え、私の場合、腰から下はしょっちゅう水中に入っているので、これだけでも消耗が少なくて済む。 しばらく行くと六千尺の滝が現れる。渕の向こうに大岩から落ちる3m程の地味な滝だ。右岸から巻く。踏み跡有り。しばらく行くと木陰の中の美しい渕が現れる。「エメラルドグリーンの渕で泳ぎたい」と言っていた中村氏を最後のチャンス、とけしかける。意を決した中村氏にカメラを向け、見送る。これは絵になる、と思ったが、中村氏は真ん中を突っ切らず、右側に回ってチョコット泳いだだけ。なんだ、水泳部の腕をもっと発揮してくれれば格好良かったのに!と他人事の私は勝手な事を言っていた。中村氏以外は右岸から渕を巻く。 やがて左岸からヌケド沢が入り、さらに1時間足らずで左岸からもう1本顕著な沢が入ってくる。1981年の遡行図に残雪と記入のある場所に、今年も雪渓が残っている。中央一部が崩壊し出してはいるが、昨日の雪渓よりも大分マシである。雪渓の上に乗り、左岸沿いを歩いて行く。辺りは源頭の様相を帯び、周囲の稜線がはっきり確認できる。サボちゃんがサンショウウオをつかまえた。手にとってジックリ見るのは初めてである。体調10センチ余りで、丸い顔に出っ張った目がユーモラスで愛らしい。可愛い可愛い、とおもちゃにしている私達に引き換え、サンショウウオは逃げるのに必死である。写真を撮ろうとしたその時、彼はポチャリと水中に逃げてしまった。しばらくして、再び中村氏が捕獲し今度はカメラに収めた。この辺りには幕営跡が複数有り。 左手を見上げると、双六南峰がクッキリと見える。夏の北アルプスの稜線は、何時見ても清々しい。 ほどなく二股に着く。ここで、双六の頂上へダイレクトにあがるか、遡行ガイド通り双六のテント場へ向かうか、一応協議してみる。山頂を目指すと確実に1時間は余計にかかるだろう。午後もそれなりに回っている事だし、二股は右側の天場方向を辿る。 すぐに水が枯れ、少々藪めいた中を水の無い沢筋に沿って進む。2頭分の熊の糞がある。やはり、熊の糞は大きく、糞の主が出現しない事を願う。先頭の純平はホイッスルを鳴らしながら進む。クルマユリやらトリカブトやら、色とりどりの花が咲き辺りが華やいでくる。遠く小屋の見える辺りは潅木も無くなり、チングルマとクロユリの揺れる夏の終わりのお花畑だ。右手からの登山道に合流し、今日の行程はオシマイ。双六の天場に着いた。天場の空地はほとんど無い程の沢山のテントに、お金の世界にやってきた事を実感。何とか自分達の天場を確保し、カレーライスと騒ぐ純平の為に小屋へ向かう。カレーを食べる純平と共に、中村氏とミネは豪華に生ジョッキ、サボちゃんと私はホットミルクで乾杯した。(既に太陽の姿は無く、寒くて、とてもビールを飲む気にはならなかった)山の頂上はガスに隠れ、景色は今ひとつ。小屋で、「黒部をやってきたんですか」と、釣り好きの男性から声を掛けられて、「黒部ではないのです」とちょっと淋しい返答もしたけれど、でも、久々に大きな沢をやり終えて、充実した気分である。 夜テントにて祝杯、夕飯中にサボちゃんがトイレに駆け込んだ。中々戻って来ないので、見に行った方がいいかな、もう少し待とうかな、と酔払って思い巡らしていると、「藤沢山岳会の方いますか」との声。声の主は富山大医学部の方で、サボちゃんが小屋の医務室で休んでいるとの事。これでかなり酔いが醒め、慌てて医務室へ向かう。呼びに来たのは富山大の医師の卵二人。医務室には若い女性のドクターがいて、一晩医務室で様子を見てくれるとの事。笑顔が心強い。お言葉に甘えサボちゃんをお願いし、残り4人で最後のテント泊となった。夜半、雨の音を聞く。テント撤収時に降られない事を祈る。 双六の医務室はドクターと学生二人、合計3人で4泊1クールで詰めているとの事。交代時に医師不在となる時間帯もあるらしい。

報告:大西

●8/14(木)   6:30に診療所に荻野さんの様子を見に行く約束だったので、事前に朝食を済ませ様子を見に行くと体調は何とか良さそうで本人に確認すると大丈夫との事。停滞も考えられただけに本当に良かった。   テントに戻り荻野さんが軽い朝食を済ませると出発の準備に取り掛かった。出発には遅い時間にも関わらず、中にはまだテントが張られ寛いでいる人達も居る。天候もあまり良くなさそうなので良いのだろうかとも思うが、自分達と同じで皆事情があるのだろう。   遠くの山々はガスに覆われて景色は見てとれないが、足下に目をやると昨日の雨と朝露に濡れた花々が中々綺麗である。そんな事を考えながら下山して行くと早々に昨日転んで捻った膝が痛くなり始めた。騙しだまし歩くがかなりの激痛に見舞われ遂に共同装備を皆に持ってもらうことになってしまった。その後軽くなった荷物を背に何とか新穂高温泉まで到着できた。みなさんありがとうございました。   下山後は、栃尾温泉(富久の湯¥500)で湯に浸かり車を回収し安房峠有料道入り口先にある「あんき屋?」という店で飛騨牛を食べて帰路に着いた。

報告:峯尾

<追記> ●双六診療所&感想 双六小屋スタッフおよび双六診療所に大変なお世話になってしまいました。突然腹痛で動けなくなりました。本当にすみません。 双六スタッフの料理班の方が発見してくださり、診療所の先生を呼んでくださり、運んでくださいました。 双六小屋には富山大学からの医療ボランティアチームがピーク期間中だけ交替でいらしているとのことです。当時は女性医師、女性看護師、男性の3名でチームが組まれていました。4泊で交代されるそうで、下山が一緒でした。 診療所の中には様々な薬品が並んでいました。「薬は何っでもあるから遠慮せず言ってくださいね」と笑顔で言ってくださいました。 看護師の方はテントまで伝えに行ってくださいました(遠いのに直ぐ来たのには驚いた)。 私はその晩は、診療所の隣り部屋の布団で休ませてもらいました。「私たちは隣の部屋で寝ているから、ここは開けておくから何かあったらいつでも声を掛けてください」と常々 様子を気にしてくださり、とてもとても親切でした。 ともあれ、今後は常備薬はもちろん持参し、こうしたことを予測して防げるようにも頑張るつもりです。 診療費は初診料 ¥1000〜 でも状況に応じて考えてくださるとのことでした。 金額は決まっていないので、こちらの志とのことです。 ?軽い高山病でいらっしゃる方もみられました。 要らぬ話ですが、2600mの場で血中酸素飽和度が80%でした高山なら普通との事。 http://www.med.u-toyama.ac.jp/sugoroku/index-j.html 診療所など必要ないつもりで山行はしていますが、今回偶然にも山小屋や診療所があったことには大変に救われました。お世話になったスタッフには感謝のしきれない所存です。 ?今回、私にとって初の3泊沢登山となりました。 釣りたての岩魚がとびっきりのご馳走になり、久しぶりに素晴らしい思い出となる経験になりました。 双六谷ははじめその水量の渡渉に恐怖を感じましたし、石のぬめりに煩わされ足元ばかりを見て一日が終わってゆきました。メンバー様のフォロー(進む方向、足の置き場等)にとっても励まされました。2日目の雨が異様に怖く感じましたが、何事も無く、ゴール手前の草原、沢を辿ることの感動、自然への感激を身にしみて感じました。 今回もメンバー様には大きなご迷惑をおかけし、大変な援助をいただきました。(腹痛は一時死ぬかと思いますが、疲れで腸の働きがストップするだけみたいです。食べたものを吐き出して水を沢山飲めば回復します。) 私も一歩一歩成長し、お返しできるように成ることを頑張りますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。 今回、大変ありがとうございました。 

報告:荻野

その他感想:以前は、打ち込み谷上部は苦労なく遡行した谷だったが、今回は手一杯だった。ミズゴケがひどいのもあるが、思えば前に行ったのは10年以上も前の事で、やはり、その時に比べると衰えているのだろう。ただ、他に2パーティー入っていて、抜かれる事無く遡行していった。1パーティーは家族連れなので、足は速くないとしても、もう1パーティーは同じような構成だったので、遡行速度は遅い訳ではなかった思う。徒渉は、やはり合宿前に合宿メンバーで練習しておけば、もうちょっとスムーズな対応ができただろう。   

報告:大西



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